FAQ(よくある質問)
レンズ収差のある写真【滲色(にじいろ)写真】について
Q 滲色(にじいろ)写真とは?
A 凸レンズ1枚などの原始的なレンズ構成で撮影すると、レンズ収差によって独特の写真が撮れます。
特に光の滲み方に特徴があるので、井上が「滲色(にじいろ)写真」と命名しました。
レンズについて
Q ぜレンズを自作するのか?
A 収差のある写真にするためには、撮影時に特殊なフィルターをかける、Photoshopで撮影後加工するなどの方法があると思います。しかし、最初から収差のあるレンズで撮影したほうが、仕上がりのイメージに近いものがファインダーで得られます。フィルターを入れると暗く見ずらくなると思います。
あくまでも個人的な気持ちというか、気分的な理由もあります。市販のレンズは相当な枚数のレンズが組み合わせてあります。それらを使って撮影すれば、コントラストや色など申し分のない仕上がりになります。しかし、僕が感じるに、光がレンズを透過する度に少しずつ自然の素朴な感性を失っていくような気がしています。違う言い方をすれば、レンズを透過するたびに人工的で工学的な光に変化していくように感じています。実際の目で見た光の感覚と、ファインダーで見える光の感覚は少し違ったモノだといつも感じていました。少ないレンズだとより自然な光で撮影できるのではないかと思っています。
Q レンズ収差とは?
A レンズは、回りの景色をひとつの焦点に結像させて像(回りの景色のイメージ)をつくります。回りの景色を忠実に再現できれば問題ありませんが、レンズで結像させると映像的なエラーまたはミスのようなモノがあります。たとえば四角いモノが少し丸くなるような映像的なエラーまたはミスです。それらのエラーもしくはミスを生じさせるレンズの光学的な原因を収差といいます。
レンズには大きく分けると、ザイデルの5収差と色収差があります。ザイデルの5収差(単色)は、「球面収差」「コマ収差」「非点収差」「像面湾曲」と「ディストーション(歪曲)」と分類され、回りの景色が正確にコピーされないエラーやミスをいいます。大雑把に言うならば「画像そのもののひずみ」です。 色収差は、光を構成している光の3原色が同じ位置に結像されないエラーもしくはミスをいいます。これも大雑把に言うならば「色のにじみ」です。プリズムは色収差を利用して光を虹に分解しています。
通常販売されているカメラの撮影レンズは、何枚かのレンズを組み合わせたりすることによって光学収差(ザイデルの5収差)と色収差を実用範囲に是正してあります。
撮影について
Q ピントが浅い(絞りを絞らない)理由は?
A 黒紙で小さな穴を開けた絞りを入れて、もっと絞ることは可能です。でも、この手のレンズの特性である収差が少なくなってしまうので、絞りを使用するつもりは、現在のところありません。ピントの浅さを作画にいかそうと考えています。このレンズで表現する絵柄を考えるときに、浅いピントでよいモノ、シーンやフレーミングを探すようにしています。
写真の二次使用について
Q 写真をWebサイトや印刷物などに利用したいのだが?
A 非営利目的、営利目的(商業利用)によって使用条件が違います。メールでお問い合わせください。
Q Webで公開している画像を相当加工して利用したいが、著作権表示は必要か?
A 以前所属していた日本写真家協会(JPS)のデジタル画像関連の著作権の考え方と同様に井上も考えております。画像を相当加工しても、オリジナルの画像の著作権は有効であると考えております。撮影ではなく「素材写真 井上周邦」または「SourcePhoto by shuho inoue」などの著作権表示を入れてください。