自作のレンズ【滲色(にじいろ)レンズ】の作り方
― 凸レンズ1枚の直進フォーカス型 ― 撮影方法と作製したレンズの評価

撮影方法
▽フィルムまたはデジタル
フィルム(銀塩)よりも、絶対にデジタルのほうがいいと思います。以前作った収差のあるレンズはフイルムで撮影していました。フィルム現像またはプリント時に、色やコントラストなどの修正を加えるのが難しかったので、どの写真もよく似た調子に仕上がっていました。ボケボケのフレアーが入った同じような写真が並んでしまいます
デジタルのRAWで撮影すると、現像時に露出、色温度、ガンマ、コントラストや色の調子などを好みで制御できます。すなわち、ファインダーで見た印象を、より強く映像化できます。しかも、Photoshopを駆使した作業ではなく、通常の現像作業である程度の成果があります。現像後もPhotoshopで加工すれば、もっと自分の印象に近づけたり、違うイメージに仕上げられます

▽フレーミング
このレンズの特性として、画面の中心部分がはっきり移り、周辺にいくにしたがってぼやけて写ります。レンズの特性を活かすには、中心と周辺のボケぐわいを見せるほうがよいです。ノートリミングを前提としたフレーミングをしています

▽ピントの合わせ方
収差があるのでファインダーに映る映像はコントラストがなく、ピントの山がつかみにくいです。被写体のできるだけコントラストのある部分でピント合わせをしたほうがわかりやすいです。最初は目が疲れる感じがします。懸命に見つめているのかもしれません。慣れると、適当にピントを合わせてができるようです。1時間ぐらい、収差のあるレンズで撮影していて、普通のカメラメーカーの販売しているレンズに交換すると、劇的にきれいに、くっきり、はっきりと見えることがわかります

▽露出
撮影しているCanon EOS 5Dでは、F値が0(ゼロ)のレンズがついていると勘違いしてくれるので、入射してきた光量でISOに合わせてシャッター速度を計算してくれます。その結果、絞り優先でもマニュアルでも露出に関しては通常の撮影と同様に扱えます。井上は、露出補正を頻繁にするのでマニュアルで撮影しています

▽マクロ撮影
使用しているヘリコイドの繰り出し量は14mmしかありません。ちょっとしたマクロ(近接)撮影でも、繰り出し量が不足してピントが合いません。ヘリコイドの先につけるプラスチックの筒はいくつも接続できる構造になっています。1つ追加すると、22.5mm繰り出せます。花の芯のアップで2つ程度継ぎ足して撮影しています。54mmのレンズで3つ継ぎ足すと、ほぼ等倍程度まで可能です。被写体との距離が3センチ程度なので、非常にライティングが難しいです


作製したレンズの評価
※手書きのレンズチャートもどきの複写写真は、現像時にまったく手を加えていません。Photoshopが自動で現像したものをそのまま縮小してJPEGで保存しました。レンズの素の写り方がわかると思います

▽焦点距離54mm、F値4.0の凸レンズ
ヘリコイドの先端から約40mm近くカメラ側にレンズがあるため、少しケラレがあります。レンズの直径が小さいために、周辺光量も不足しているのがわかります。画角が広いので、それなりに利用はしていますが、たる型歪曲収差が目立ちます。近接撮影ではコントラストもあってピントの山が掴みやすいです

▽焦点距離80mm、F値4.0の凸レンズ
もっとも多用しているレンズです。これといったクセがなく使いやすいです。この「凸レンズ1枚の直進フォーカス型」では、標準的ないいレンズだと思えます

▽焦点距離121mm、F値5.0の凸レンズ
望遠の圧縮した描写が欲しくて作製しました。コントラストが他のレンズより低く、逆光気味だとフレアも多いです。80mmよりもうちょっと寄りたい時に使用しています

レンズ評価は2006/05/09に記述。今後、もっと使っていくと変更されるかもしれません

次のデジタルのRAWでの撮影をお勧めしますはこちらをご覧ください

前の作製方法の説明はこちらをご覧ください
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