月別アーカイブ: 2006年5月

滲色レンズの作り方 4

デジタルのRAWでの撮影をお勧めします
滲色(にじいろ)レンズ

デジタルのRAWでの撮影をお勧めします
井上はフィルムではなくデジタルで撮影しています。デジタルでの撮影は、撮影データをJPEGで記録させるのではなく、RAWで記録させています。RAWだと、JPEGなどの汎用的な画像フォーマットにするためにはパソコンでの現像処理が必要になります。しかし、RAWで撮影することにより、現像段階でガンマ、コントラスト、色温度や色調を調整することによって写真が劇的に変化します。
JPEGで撮影データをそのまま記録すると、フィルムで撮影したような中心部だけピントが合い周辺はボケボケでフレアーが多く入った同じような調子の写真ばかりになってしまいます。JPEG画像をPhotoshopで加工するという方法もありますが、RAW画像かあら現像段階で少し手を入れることをお勧めします。理由はJPEGを加工すると画質の劣化が激しいからです。それと、現像後の画像が撮影時に思ったイメージに合わないようなら、現像後にPhotoshopで少し加工しています。

▽RAWでの現像方法による画像の違い
以下の写真は、RAWで記録したものをPhotoshop CS2が自動で現像したものと、ガンマ、コントラスト、色温度や色調を手動で調整したものの2種類があります。
自動で現像した写真は、レンズの素の写り方がわかると思います。
手動で調整した写真は、劇的に調子が変化しているのがわかると思います。
自動で現像した写真
自動で現像した写真
手動で調整した写真
手動で調整した写真
自動で現像した写真
自動で現像した写真
手動で調整した写真
手動で調整した写真

手動でのガンマ、コントラスト、色の温度や色調の調整方法
ガンマ、コントラスト、色温度や色調をどのように調整したのかは、その写真に合わせて全て違ってきます。ハウツーみたいなものがあればよいのですが、現在(2007/11/21記載)でも試行錯誤状態で具体的にうまく説明できません。基本的ななセオリーとして、ガンマは少し立てて、コントラストは少しきつめからスタートして、いろいろ調整してイメージに合わせていきます。少し慣れてくると、こういう感じの写真は、前にこんな感じにしたので、ガンマをこのぐらいにしてみようかと、ヒントと言うかカンのようなものが多少できてきます。たくさんの写真でトライしてみてください。「習うよりは慣れろ」ということわざが、うまく当てはまるように感じます。

前の「撮影方法と作製したレンズの評価」はこちら

※滲色レンズは、凸レンズを1枚だけ使用した撮影レンズです。
※レンズの作り方のページは、凸レンズ1枚を使った撮影レンズに興味のある方が、レンズを自作するときの補助的な情報になればと公開しています。
※このサイトで紹介されている方法を実施して、レンズ作成時の怪我などやカメラの故障などがあっても井上周邦または井上写真事務所はいかなる義務や責任も負いかねます。
あくまでもご自分の責任と判断のうえで実施してください。

滲色レンズの作り方 3

撮影方法と作製したレンズの評価
滲色(にじいろ)レンズ

撮影方法
▽フィルムまたはデジタル
フィルム(銀塩)よりも、絶対にデジタルのほうがいいと思います。以前作った収差のあるレンズはフイルムで撮影していました。フィルム現像またはプリント時に、色やコントラストなどの修正を加えるのが難しかったので、どの写真もよく似た調子に仕上がっていました。ボケボケのフレアーが入った同じような写真が並んでしまいます。
デジタルのRAWで撮影すると、現像時に露出、色温度、ガンマ、コントラストや色の調子などを好みで制御できます。すなわち、ファインダーで見た印象を、より強く映像化できます。しかも、Photoshopを駆使した作業ではなく、通常の現像作業である程度の成果があります。現像後もPhotoshopで加工すれば、もっと自分の印象に近づけたり、違うイメージに仕上げられます。
滲色レンズを付けたデジタル一眼レフカメラ

▽フレーミング
このレンズの特性として、画面の中心部分がはっきり移り、周辺にいくにしたがってぼやけて写ります。レンズの特性を活かすには、中心と周辺のボケぐわいを見せるほうがよいです。ノートリミングを前提としたフレーミングをしています。

▽ピントの合わせ方
収差があるのでファインダーに映る映像はコントラストがなく、ピントの山がつかみにくいです。被写体のできるだけコントラストのある部分でピント合わせをしたほうがわかりやすいです。最初は目が疲れる感じがします。懸命に見つめているのかもしれません。慣れると、適当にピントを合わせてができるようです。1時間ぐらい、収差のあるレンズで撮影していて、普通のカメラメーカーの販売しているレンズに交換すると、劇的にきれいに、くっきり、はっきりと見えることがわかります。

▽露出
撮影しているCanon EOS 5Dでは、F値が1(Exif情報では0.0)のレンズがついていると勘違いしてくれるので、入射してきた光量でISOに合わせてシャッター速度を計算してくれます。その結果、絞り優先でもマニュアルでも露出に関しては通常の撮影と同様に扱えます。井上は、露出補正を頻繁にするのでマニュアルで撮影しています。

▽マクロ撮影
使用しているヘリコイドの繰り出し量は14mmしかありません。ちょっとしたマクロ(近接)撮影でも、繰り出し量が不足してピントが合いません。ヘリコイドの先につけるプラスチックの筒はいくつも接続できる構造になっています。1つ追加すると、22.5mm繰り出せます。花の芯のアップで2つ程度継ぎ足して撮影しています。54mmのレンズで3つ継ぎ足すと、ほぼ等倍程度まで可能です。被写体との距離が3センチ程度なので、非常にライティングが難しいです。
ヘリコイドの繰り出し量
ヘリコイドの繰り出し量
プラスチックの筒を未接続
プラスチックの筒を1個接続
プラスチックの筒を2個接続
プラスチックの筒を3個接続
プラスチックの筒は、レンズフードにも利用できます。
レンズフードに利用しているプラスチックの筒

作製したレンズの評価
※手書きのレンズチャートもどきの複写写真は、現像時にまったく手を加えていません。Photoshopが自動で現像したものをそのまま縮小してJPEGで保存しました。レンズの素の写り方がわかると思います。

▽焦点距離54mm、F値4.0の凸レンズ
ヘリコイドの先端から約40mm近くカメラ側にレンズがあるため、少しケラレがあります。レンズの直径が小さいために、周辺光量も不足しているのがわかります。画角が広いので、それなりに利用はしていますが、たる型歪曲収差が目立ちます。近接撮影ではコントラストもあってピントの山が掴みやすいです。
焦点距離54mm、F値4.0の凸レンズ
▽焦点距離80mm、F値4.0の凸レンズ
もっとも多用しているレンズです。これといったクセがなく使いやすいです。この「凸レンズ1枚の直進フォーカス型」では、標準的ないいレンズだと思えます。
焦点距離80mm、F値4.0の凸レンズ
▽焦点距離121mm、F値5.0の凸レンズ
望遠の圧縮した描写が欲しくて作製しました。コントラストが他のレンズより低く、逆光気味だとフレアも多いです。80mmよりもうちょっと寄りたい時に使用しています。
焦点距離121mm、F値5.0の凸レンズ
レンズ評価は2006/05/09に記述。今後、もっと使っていくと変更されるかもしれません。

次の「デジタルのRAWでの撮影をお勧めします」はこちら

前の「作製方法の説明」はこちら

※滲色レンズは、凸レンズを1枚だけ使用した撮影レンズです。
※レンズの作り方のページは、凸レンズ1枚を使った撮影レンズに興味のある方が、レンズを自作するときの補助的な情報になればと公開しています。
※このサイトで紹介されている方法を実施して、レンズ作成時の怪我などやカメラの故障などがあっても井上周邦または井上写真事務所はいかなる義務や責任も負いかねます。
あくまでもご自分の責任と判断のうえで実施してください。

滲色レンズの作り方 2

作製方法の説明
滲色(にじいろ)レンズ

作製方法
▽カメラマウントからヘリコイド本体
購入したパーツを組み立てるだけです。
カメラマウントとヘリコイド本体の組み立て
カメラマウントとヘリコイド本体の組み立て
カメラマウントとヘリコイド本体の組み立て

▽ヘリコイドの先にレンズをつける工程
ヘリコイドの先につけるプラスチックの筒(TOMMYのBORG アイピースアダプタ 延長筒)の適当な位置にレンズを貼り付けます。
ヘリコイドの先につけるプラスチックの筒

<ピントの基本的な説明>
レンズの焦点距離と、レンズとカメラのCCD面またはフイルム面までの物理的な距離(間隔)が同一の場合、無限大でピントが合います。
無限大より手前の場合は、無限大のときよりもレンズとカメラのCCD面またはフイルム面までの物理的な距離(間隔)を広げないとピントが合いません。手前になるにしたがって、レンズをCCD面またはフイルム面より、レンズを離して(繰り出して)いきます。

▽レンズを貼り付ける位置の計算
計算するために基準となる位置を「ヘリコイドの先端」(ヘリコイドは一番短い状態)と決めました。
次に、ヘリコイドの先端から、カメラのCCD面またはフイルム面までの距離を測定しました。井上の購入したパーツを組み合わせると89.8mmでした。井上の加工精度を考えるとミリ単位で充分なので90mmとしました。
カメラのCCD面またはフイルム面までの距離を測定
EOS 1(フィルムタイプ)のカメラを使ってノギスで実測しました。デジタル一眼ならCCDにキズがつきそうで怖くてできなかったです。
カメラのCCD面またはフイルム面までの距離を測定
【注意事項】
一眼レフカメラのCCDにノギスなどを直接接触させないでください。キズがついたりCCDが壊れたりする危険があります。フィルムタイプの一眼レフカメラでも、ノギスでミラーボックス内などにキズがつく可能性があります。また、ノギスを差し込んだままシャッターが閉じられると、ミラーシステムやシャッターに甚大な被害がでる危険があります。

Canon EOSシリーズの場合、マウント面からCCD面またはフイルム面までの距離(フランジ)は44mmです。
ヘリコイドの先端からカメラのCCD面またはフイルム面までの距離=44mm(フランジ)+マウント面からヘリコイドの先端までの距離

▽実際に用意したレンズの貼り付ける位置を計算してみる
「ヘリコイドの先端」位置からCCD面またはフイルム面までの距離は、90mmとしました。
焦点距離(f値)54mmの凸レンズは、54mm - 90mm = -36mm
レンズの貼り付ける位置は、ヘリコイドの先端から、カメラ側に-36mm近づいたところ。

焦点距離(f値)80mmの凸レンズは、80mm - 90mm = -10mm
レンズの貼り付ける位置は、ヘリコイドの先端から、カメラ側に-10mm近づいたところ。

焦点距離(f値)121mmの凸レンズは、121mm - 90mm = 31mm
レンズの貼り付ける位置は、ヘリコイドの先端から、外側に31mm離れたところ。

▽無限大位置のマージンを考慮する
無限大の位置は多少余裕が必要です。正確にはレンズの焦点距離によっても変えるものだろうけど、だいたい2ミリ程度(←適当な数字)にしました。計算上の無限大位置よりもCCD面またはフィルム面に2ミリ近づける位置としました。

<無限大の位置>
無限大の位置は、空気の湿度や温度で変化するらしいです。メーカーのレンズでも無限大表記は少し余裕がある書き方(Lのような記号)になっています。オートフォーカスではなく、マニュアルでピントを合わせてみると無限大側にほんの少し回転する余裕があるので実感できます。

▽無限大を考慮したレンズの貼り付ける位置
焦点距離(f値)54mmの凸レンズは、カメラ側に-38mm近づいたところ
焦点距離(f値)80mmの凸レンズは、カメラ側に-12mm近づいたところ
焦点距離(f値)121mmの凸レンズは、外側に29mm離れたところ

※計算は簡単に終わるのですが、作製する上での問題点として、レンズの直径がプラスチックの筒と一致していないことでした。

▽最初に一番簡単そうな121mmの凸レンズを作製しました
このレンズは、ヘリコイドの先端から外側に29mm離れたところにレンズを貼り付けます。プラスチックの筒だけでは長さが足りませんでした。購入した同じプラスチックの筒の外側部分を不足している長さ分だけノコギリでカットし、サンドペーパーできれいに断面を修正してから、接着剤(セメダインのスーパーXの黒色)で張り合わせました。筒を延長をしたことになります。その延長した先にレンズを接着剤で貼り付けました。
121mmの凸レンズ

※レンズの接着時は、光軸に対してレンズが垂直になっていることと、実際に無限大でピントが合うかどうかを確認作業をしてください。
計算した場所にセロテープで仮止めしてから、カメラにレンズを付けてファインダーで確認作業をしました。
光軸に対してレンズが垂直になっていることの確認方法は、筒とレンズの位置関係を目視で確認しました。凸レンズ1枚だと、周辺画像がぼやけているのでファイダーを見てもよくわからなかったです。
無限大でピントが合うかどうかの確認作業は、野外で遠い被写体をファインダーで確認しました。このときに無限大側に、ヘリコイドが少し回転する余裕(無限大のマージン)があることも確認しました。
うまくいかなければ、レンズ位置の微調整をします。仮止めをしたまま、つまよう枝で少しずつレンズを押すようにしました。数ミリも移動させる必要はありませんでした。
何度も確認作業が必要でした。確認が終わったら、仮止めの反対側から接着剤を少量塗って位置を固定します。つまよう枝の先に接着剤を少量乗せて、ピンポイントに接着するようにすると作業しやすかったです。その後、接着剤が乾いてから、仮止めのセロテープを注意深く外して反対側も、つまよう枝を使って接着しました。

▽テスト撮影した結果、問題点が発覚
レンズは半分に割れても結像することを知っていたので、適当に接着剤で貼っていました。しかし、ピントがないところの光のサークルがきれいな円形にならず、そのレンズの光路中の一番汚い円もどきの型になることを発見しました。
下の写真は上の写真の121mm凸レンズで撮影
未対策の121mm凸レンズで撮影

121mmの凸レンズの対策として、黒紙のドーナツ状のものを付けて、接着部分をきれいな円形になるように改造しました。
他の作製中のレンズは、プラスチックのパーツを多用して、鏡胴内の光路は全てきれいな円形になるように整形しなおしました。

<プラスチックの円形パーツの加工について>
プラスチックを円形に整形するのは想像以上にむずかしいです。工具とスキルがないので、ひたすら元々円形だったパーツをヤスリとサンドペーパーでサイズを調整しながら整形しました。整形作業はは時間がかかり根気がいります。しかも、慣れない作業で、次の日はあちこち筋肉痛というなさけないこともありました。
サイズの大きいものから小さいものへは削ることで対応できますが、ちょっと小さい場合はの処理が問題でした。東急ハンズで見つけた「ペット-G」というペットボトルの素材を薄い板にしたものがあります。プラスチック板のなかでは、曲げに強くやわらかい製品だと説明がありました。しかも、普通の接着剤(セメダインのスーパーXなど)で接着可能で、1枚268円の安さでした。0.3mm厚の板を購入し、カッターで細く切って、サイズアップする円形パーツの外側を海苔巻きのようにクルクル包んで接着します。接着剤が乾くまで、セロテープで固定しておきます。
次に、100円ショップで購入した双眼鏡です。
100円ショップで購入した双眼鏡

解体すると適当な大きさの円形パーツが数種類確保できました。対物レンズは105mmの凸レンズで、接眼レンズは凹レンズ(焦点距離は不明)です。

▽開放F値の計算方法
開放F値=焦点距離(f値)÷光学経路の最小口径

焦点距離(f値)54mmの凸レンズは、F4.0にしたかったので、内径の直径が13.5mmの黒紙の円形しぼりを付けました(しぼりの位置:レンズの被写体側直前)。
54mmの凸レンズ
焦点距離(f値)80mmの凸レンズは、F4.0にしたかったので、内径の直径が20mmの黒紙の円形しぼりを付けました(しぼりの位置:レンズのCCD側直前)
80mmの凸レンズ
焦点距離(f値)121mmの凸レンズは、取り付けているプラスチックの筒の最小口径が23.8mmのため、F5.0になっています(しぼりの位置:レンズとCCD側の間でレンズ側に近い位置)
121mmの凸レンズ
<しぼり位置について>
光路中のしぼり位置によって歪曲収差が変化するそうです。
絞り→レンズ→CCD面またはフイルム面なら、たる型歪曲収差、
レンズ→絞り→CCD面またはフイルム面なら、糸巻き型歪曲収差と言われています。
今回のレンズ作製では、しぼり位置についての考察はしていません。簡単にしぼり位置が変更できるような鏡胴を作製してから、テストしてみようかと検討中です。
円形カッターを使用すると、きれいに円形がくり抜けます。
円形カッター
<レンズの焦点距離(f値)の測り方>
テーブルの上でレンズを持つと、蛍光灯などがはっきり映る位置があります。これが、天井の蛍光灯との距離での焦点距離になります。正確に測るには、昼間に太陽が一番小さく映る点を探して、その点とレンズの中心線が焦点距離になります。
レンズの焦点距離の測り方
【注意事項】
光学レンズで太陽を絶対に直接見ないでください。視力障害や失明などの危険があります。

▽ほこり対策
デジタル一眼レフなので、ミラーボックス部分にホコリが入るとシャッターを切ったときにCCDにホコリが張り付いたりします。
フォーカシング部分より内側に透明ガラスの仕切りで、レンズ交換したときに侵入したホコリをミラーボックス側に移動をさせないようにほこり対策をしました。

透明ガラスの仕切りは、52mm径のUVフィルターのガラス部分です。フィルター外枠のレンズ側に細い丸い針金が溝にはめてあって、フィルターガラスを止めていました。この針金を注意深く外すと、ガラス部分だけが取り出せました。作業されるときは、ガラスなので割れたり、ケガをしないように気を付けてください。
取り外したフィルターのガラスそのものを、マウントの内側に接着剤で貼り付けました。少し直径が大きかったので、ガラス細工をする小型のルーターで約1ミリ程度削りました。
古いUVフィルターが余っていたので、この径を利用しましたが、もうワンサイズ小さいフィルターを購入したほうが作業が楽だったと思います。
それと、逆光時にフィルターのガラス面に反射したフレアみたいなものが見えるときがあります。ほこり対策は違う方法を考えたほうがよいかもしれないです。今後の課題とします。
ほこり対策

次の「撮影方法と作製したレンズの評価」はこちら

前の「計画と購入パーツ群の説明」はこちら

※滲色レンズは、凸レンズを1枚だけ使用した撮影レンズです。
※レンズの作り方のページは、凸レンズ1枚を使った撮影レンズに興味のある方が、レンズを自作するときの補助的な情報になればと公開しています。
※このサイトで紹介されている方法を実施して、レンズ作成時の怪我などやカメラの故障などがあっても井上周邦または井上写真事務所はいかなる義務や責任も負いかねます。
あくまでもご自分の責任と判断のうえで実施してください。

滲色レンズの作り方 1

計画と購入パーツ群の説明
滲色(にじいろ)レンズ

▼計画
デジタル一眼での最初の収差のあるレンズは、以前も作った経験のある「凸レンズ1枚の直進フォーカス型」に決定しました。
直進フォーカス型とは、光軸上をレンズが前後に移動します。
写真の写り方は、真ん中部分が鮮明で周辺になるにしたがって不鮮明になっていきます。

▽撮影機器の選択
撮影する一眼レフカメラは、Canon EOS 5Dをメインとすることにしました。

購入パーツ群
▽設計概要と留意事項
レンズの交換はマウントからではなく、ピントととるためのフォーカシング部分より先の部分で交換できるようなタイプにすること。それと、フォーカシング部分より内側に透明ガラスの仕切りでホコリの移動をさせないこと。
デジタル一眼レフなので、できるだけミラー部分にホコリが入らない構造しようと思った。仕事で使用するカメラなので、CCDにホコリがつくのは避けたいです。

▽基本パーツ群
基本的なパーツ群を以下の4つとして考えてみました。
1.ピントをとるためのヘリコイドのようなパーツ
2.ヘリコイドをカメラに接続するためのパーツ
3.ヘリコイドにレンズを接続するためのパーツ
4.凸レンズ
上記のアイデアでは、1のヘリコイドのようなパーツが最重要パーツとなり、その他のパーツのベース部分です。

▽ベースとなるパーツの選定
自分で作製するのは、精密加工の技術を持っていないので無理です。当然のことながら市販のパーツを流用することにしました。
必要条件として、Canon EOSのカメラマウントに接続でき、なおかつ、フォーカシングの機能があるもの。
十分条件として、できるだけ安いことと、フォーカシングの量(レンズの繰り出し量)が大きいもの。
上記の条件をある程度満足するものとして、天体望遠鏡のパーツが流用できることを発見しました。

具体的にベースとなるパーツとして選定したものは、TOMMYのBORGの接眼レンズ用ヘリコイド(商品No.4317)です。
このパーツを選定したので、カメラに接続するマウント類も必然的に決定されました。
同時にヘリコイドにレンズを接続するためのパーツも、加工のしやすいプラスチック製品が同じメーカーから販売されていたので利用することにしました。

▽レンズの選定
以前作ったレンズには、虫メガネのレンズを利用していました。しかし、今回はケンコーのアウトレットショップサイトから購入することにしました。
焦点距離や直径などの詳細なデータがわかることが一番の理由です。
それと、前回のレンズで大きな不満点だった逆光気味でのフレアの多さを、マルチコーティングされたレンズだと多少は緩和されるのではないかと期待したからです。結果として、多少の効果はありました。

<選定するレンズの留意事項>
凸レンズ1枚で無限大の撮影をするためには、レンズの焦点距離が、マウント面からCCD面またはフイルム面までの距離(フランジ)以上の焦点距離が必要に なります。それ以下だとミラーボックス内に凸レンズを配置しなければならないので現実的には不可能です(ただし、凹レンズを組み合わせれば可能)。 Canon EOSシリーズのフランジは44mmなので、それ以上の焦点距離(f値)があるレンズということになります。
また、ヘリコイドにレンズを接続するためのパーツは、TOMMYのBORG アイピースアダプタ 延長筒を利用するので、その径に合ったレンズを選択しなければなりません。

▽選定されたレンズ
留意事項を踏まえて、ケンコーのアウトレットショップサイトから選択したレンズは3枚でした
それぞれの焦点距離と直径は、
54mm(Φ19.5mm)、
80mm(Φ25.5mm)、
121mm(Φ39.5mm)です。

▽購入したパーツ群
1.ピントをとるためのヘリコイドのようなパーツ
TOMMYのBORGの接眼レンズ用ヘリコイド(商品No.4317)3,045円
TOMMYのBORGの接眼レンズ用ヘリコイド
2.ヘリコイドをカメラに接続するためのパーツ
TOMMYのBORG 変換アダプタM36.4→M42P1AD(商品No.7851)2,940円
TOMMYのBORG 変換アダプタM36.4→M42P1AD
ケンコーのカメラマウントEOS用 2,625円
ケンコーのカメラマウントEOS用
<補足>
井上のシステムでは、カメラマウントにケンコーの商品を使用していますが、特に理由はありません。たまたま、凸レンズなどをケンコーのアウトレットショップサイトから購入するときに、カメラマウントも同時に購入したためです。TOMMYの方が少し安価です。

3.ヘリコイドにレンズを接続するためのパーツ
TOMMYのBORG アイピースアダプタ 延長筒(商品No.4611)単価250円×10個(作製用スペアと、撮影用のレンズ繰り出し延長用なども込み)
TOMMYのBORG アイピースアダプタ 延長筒

4.凸レンズ
ケンコー(Tokina)両凸レンズ 54mm(Φ19.5mm) 441円
ケンコー(Tokina)両凸レンズ 80mm(Φ25.5mm) 441円
ケンコー(Tokina)両凸レンズ 121mm(Φ39.5mm)620円
凸レンズ3枚

次の「作製方法の説明」はこちら

※滲色レンズは、凸レンズを1枚だけ使用した撮影レンズです。
※レンズの作り方のページは、凸レンズ1枚を使った撮影レンズに興味のある方が、レンズを自作するときの補助的な情報になればと公開しています。
※このサイトで紹介されている方法を実施して、レンズ作成時の怪我などやカメラの故障などがあっても井上周邦または井上写真事務所はいかなる義務や責任も負いかねます。
あくまでもご自分の責任と判断のうえで実施してください。